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「シン・ゴジラ」体験をカスタマージャーニーマップにしてみた(ネタバレなし)

シン・ゴジラ、控えめに言って最高だった…!

そんなツイートがタイムラインに流れてきたのは7月最後の週末。同じ頃、Facebookを見ると別の友人達が「よかった」と、!マークを3つも付けて絶賛している。その投稿へのコメント数もみるみるうちに増殖している。

何がそんなに面白いのか、確認しておきたい

私は映画ゴジラを見たことがない。もちろんTV番組の中でゴジラが出てきたりモスラと戦ったりするシーンは知っているし何かの展覧会でゴジラの着ぐるみを見たこともあるが、映画としてのゴジラは知らないし興味がない。

ついでに言うと、特撮ファンでもエヴァファンでも庵野ファンでもミリオタでもない。強いていえば安野モヨコの漫画が好き、ということくらいだろうか。

ただ、割とミーハー気質の私はシン・ゴジラがなぜそれほどまで評判がいいのか気になった。特に気になっていたのはこの辺だった。

  • 元々シン・ゴジラに興味があった人は予告編の動画を見て期待していなかったらしい。なぜ予告編で本編の良さが伝えられなかったのか。
  • ゴジラって、街を壊すだけでしょ?それ以上に何が…?
  • 石原さとみがイーオンで培った英語力がすごいらしい

これは観に行くしかない。心は決まった。

 観るなら今日しかない

週明けの火曜日、仕事が早く終わりそうだったのでレイトショーで見ようと公式サイトで劇場をチェック。東宝系なので最寄りのTOHOシネマズ渋谷でやっている。IMAXでないせいか、席は結構空いている。予約しようとすると、ちょうど火曜はシネマイレージ会員割引の日で1400円らしい。せっかくなので入会することにした。

オンラインでさくっと入会申し込みを済ませたが、シネマイレージ会員割引は、会員証カードを窓口でもらった後でないとオンラインで予約できないらしい。面倒だが「今日見る」という意思は固いので、定時退社して徒歩7分でTOHOシネマズ渋谷まで行って「ゴジラ対エヴァンゲリオン」デザインの会員証を受け取り、その場で席も予約した。

シン・ゴジラは控えめに言って最高だった

で、観た。

観ながら、こんなことを考えていた。

  • こんなワクワクする2時間がたったの1400円で体験できるなんて最高すぎる。同じ公演5回も見てる場合じゃない…
  • 展開が早すぎて一瞬たりとも見逃せない…「息つく暇もない」というのはまさにこのことだ
  • DVDすぐにほしい
  • 東京の人は全員観に行ったほうがいい、と声を大にして言いたい
  • シン・ゴジラはジブリを超えた
  • エンドロールまで見逃せない映画なんて見たことない
  • 庵野さんありがとう

生まれて初めて映画のパンフレットを買おうとしたが、完売していた。しかし、何かこの思い出を持ち帰りたいと思い、劇場をキョロキョロ見渡した結果、こんな写真を撮ってしまった。

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シン・ゴジラで心満たされる日々

観た後の興奮ぶりは自分でも驚くほどだった。どれくらいだったかというと、映画館からの帰り道にポケモンGoを一度も開かなかったほどだ。(果たしてこれが伝わる比喩になっているのかすら判断できないほど冷静さを欠いている。)

まずは、やっとネタバレ記事が読めるということで、存分に読んだ。CINRAとかネットメディアも一通り漁った。

そして、会う人会う人にシン・ゴジラを勧めまくった。プロジェクトマネジメント関連の会合で会った初対面の人にも「プロジェクトマネジメントの観点からも面白い」と言って勧めた。(実際関係ないわけではないので間違ったことは言っていないと本気で思っている。)

観た人とは語り合う。語れば語るだけ、知らなかった情報が出てくる。それほどにシン・ゴジラはネタが広く、そして深い。かめばかむほど味が出るスルメのような映画だ。

そして、ちょうど1週間後に2回目の鑑賞が実現した。そして念願のパンフも買えた。パンフは最高で、エンドロールの文字も全部書いてる!取材協力に小池百合子・枝野幸男って入ってるのもアツい。(←唯一のネタバレ?ちなみにこれは2回目の鑑賞で発見した)

 

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…以上の体験を、カスタマージャーニーマップにしてみました

ということで延々と書いてきましたが、これをWebディレクターらしくカスタマージャーニーマップにしてみました。(ここからですます調です)

Web担当者フォーラムのこの記事を参考に作成しました。カスタマージャーニーマップを知らない方はご一読ください。

(私の)シン・ゴジラ体験のカスタマージャーニーマップ

 

そしてWebディレクターらしく、この図で見えたポイント(インサイト)をいくつか書いておきたいと思います。

 

広告は映画鑑賞のきっかけにならない

まずフェーズ(1)「知る・興味を持つ」のタイミングでは、知り合いのFacebookとTwitterの投稿だけを見て、観たいと思っています。つまり広告は私の映画鑑賞のきっかけになっていないということがわかります。

実際、鑑賞前に広告に触れていなかったわけではありませんでした。例えば、時々遊んでいるゲームアプリ「ぐでたまS」。このアプリの画面にかわいいゴジラが出現していて、タップして画像をシェアするとゲーム用のアイテムがもらえるというキャンペーンをやっていました。しかし特に映画自体に興味を持つことはありませんでした。

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ぐでたまとのコラボ画面(ぐでたまSより)

 

また、渋谷で宣伝トラックも見ていたし、野村萬斎がゴジラだったという初日公開時の記事もさらっと読みましたが、特に気にならず…。

仮に多くの人が「口コミ」を理由に鑑賞したのであれば、広告視点で見ると当然「口コミを誘発させろ」ということで色々仕掛けていくのだと思いますが、最終的にコンテンツ自体の魅力がなければここまでの広がりはなかったでしょう。

ちなみに、予告CMが公開された段階で駄作だと評されていたらしく、「あえて駄作っぽく見せていたのは庵野監督の戦略なんじゃないか」といった推測がありましたが、ネタバレを避けるためにあれくらいしか出せないのは仕方ないよね、と観た後で思いました。真意はわかりませんが。

買いたいときすぐにチケットが買える=気持ちと行動が直結する

カスタマージャーニーマップ上では「映画館で鑑賞する」という行動がひとつのゴールになりますが、私が離脱する可能性があったとすればチケット購入までのプロセス。まず既に書いたとおり、シネマイレージ会員なったのにすぐにオンラインで予約できないという事態が起こりました。

幸い映画館が近く、席にも余裕があったので観ることにしましたが、もしそうでなければその日に観なかったでしょうし、もしかしたら今日まだ見ていないのかもしれません。「観たい」という気持ちが盛り上がったとき、いかに機会を逃さないかがとても大事ですね。(まあ、私にとってシン・ゴジラはその障壁まで破壊するほどの威力でしたが。)

鑑賞後の満足度の維持に「反芻コンテンツ」が大切

観た後のフェーズですが、カスタマージャーニーマップにおいて何と呼べば良いのか、ちょっと悩みました。ふつう「リピート」とか「拡散」とかそういう視点でまとめることが多いのですが、私のシン・ゴジラ体験においては「反芻する」という言葉でまとめるとしっくりきました。映画の内容を語り合ったり、Twitter経由で流れてくる感想ブログやTogetterによるツイートまとめを読んだり。

ちなみに公式サイトにはあまり反芻するためのコンテンツ(鑑賞後に理解を深めるための読み物)がなかったので、シン・ゴジラーというスペシャルコンテンツで遊んでみました。ゴジラが見えるARとかカメラアプリがあれば盛り上がるよね、と友人と話していたのですが、そういったコンテンツは現状ないようです。

映画そのものも楽しいけれども、鑑賞後も楽しめれば一石二鳥。二次コンテンツ(とその市場)というのは本当に貴重だと改めて感じました。

ぜひ、映画館で見てみてください

というわけで、長々と「いかにシン・ゴジラにハマったか」を書いてしまいましたが、観ていないかたはぜひ。IMAXでなくてもMX4Dでなくても全然楽しめますので、ぜひ一度見て、自分自身のカスタマージャーニーを体験してみてください。

Karin Inoue Karin Inoue

クリエイティブディレクター。Webを中心としたコミュニケーション戦略立案、CMSサイト構築、コンテンツ企画、イベント運営まで、ジャンルを問わず、幅広いクリエイティブ制作を担当。PMI認定PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)>>プロフィール詳細