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FabCafe Beijing オープン?中国の最先端IoTカフェ dotcom x coffee

まだ記憶に新しい8月に実施したFabCafeの三越POPUPだが、その中でコラボレーションした北京のスタートアップ、dotcomとのビジネスアライアンスを模索するため、10月13日から3日間北京に行ってきた。その中での北京の最新カフェとIoT事情をお送りする。

噂では聞いてたが、大気汚染がひどくPM2.5が335と、東京の15倍近い濃度。。。10メートル先が霞むほどの大気汚染。当日は天気が良かったが、太陽はぼんやり見えるだけ。その中にそびえ立つ高層ビルの様子はある種の未来感を感じれられる光景だ。

初日は青島で親会社となるGoerteckの工場見学を終えて国内線でホテルへ。ホテルに到着して一服し、水を注文したところ驚きの光景が。チャイムがなってドアを開けると、そこにはロボットが待っているではないですか。ボタンを押して水を取ってね、と言われ、ボタンを押すとボディーが開きその中にペットボトルが。取り出してボタンを押すと、エレベーターホールに向かって帰っていく。。。荒廃した世界のこの未来感。まさにブレードランナーの世界。

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滞在したホテルはGrand Metropark Hotel Beijing。ロボットはMr.Rightというロボットだそう。ロボットを導入するには、電話のシステム、エレベーターシステム、ドアのチャイムなどもIoT化している必要があり、そう考えると単にロボットを導入すればいいというわけではないはず。初日から中国の凄さに驚かされる。ちなみに2日目部屋が停電したりするところは中国っぽい。
 
そんな驚きの翌日、dotcom x coffeeのある北京北西部に向かった。このエリアは北京大学、北京航空航天大学を始め、数多くの大学の集積地として知られ、学生人口が非常に高いエリア。dotcom x coffeeはそんなエリアの中心にある。
 
 
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dotcomはTonyがCEOを務める会社で、基本的にはF&Bビジネスという位置づけ。そして、BUBBLE LABはロボティクスとオートメーションを使ったハードやアプリの開発を行っている会社。この2社が両輪となってビジネスを展開している。dotcom x coffeeはBUBBLE LABにとっての実験場でもあるわけです。では、実際にカフェ内にどんなテクノロジーが使われているのだろう。

dotcomカフェは北欧家具で彩られた広くて心地よいスペース。ここが北京と忘れるぐらいに完成された空間だ。店内にはdotcomのオリジナルプロダクトや、北欧の数々のアイテムが販売されていたり、プレゼンテーション用の巨大は半円型のモニターがある。

 
 
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その横には水道の蛇口が。しかしそこから出ているのは牛乳。日本ではバリスタは牛乳パックを都度開けてピッチャーにミルクを注ぐが、彼らは冷蔵庫内にタンクとポンプがあり、テーブルに付いたボタンひとつでミルクがピッチャーに注がれる。しかもその分量の調整もタブレットから操作可能とのこと。
 
 
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驚くのはまだこれから。
壁に見えるのはnest。あのGoogleが買収して話題になったIoTを使ったホームオートメーションシステム。本来ならこれも中国では動かないそうだが、ハッキングして利用しているとのこと。
 
 
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店を進むと左手に見えるのは赤いロボットアーム。タブレットの顔がちょっとかわいいが、これはソフトクリームを作ってくれるロボット。タブレットで好みの味を選び、Union Payで支払を済ませるとロボットが動き出し、あっという間にソフトクリームを作って手渡してくれる。実はこのソフトクリームマシンとソフトクリーム自体は日本のNISSEIが提供しており、BUBBLE LABがロボットアームのモーションデザインとインターフェイスを含めたアプリケーション開発を行っている。
ロボットバリスタのときにも感じたが、彼らのモーションデザインセンスは非常に優れていて、ロボットが入れたコーヒーにも関わらず、動きによる人らしさと、ホスピタリティーを実現しており、三越では人が入れた価格と同じ600円でコーヒーを購入する人が続出した。
 
 
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ロボットアームに驚いていると、カフェ奥の壁面には3Dプリンタ20台が並ぶ3Dプリンタウォールが。20台並んでいることもすごいのだが、本当にすごいのは壁面に設置してある集中操作コンピューター。20台のプリンターがこのパソコンから一括管理されていて、フィラメントなども棚の一番下部分にまとめて設置してある。
 
このあたりは彼らの親会社であるGoerteckのオートメーションからヒントや技術協力を得ているとのこと。親会社のGoerteckは日本企業を中心としたマイクやスピーカーなどのモジュールから、VRゴーグル、スマートバンド、スマートウォッチなどまで広く生産しているOEMを中心とした製造会社。現在は、LIBRATONEを始め数多くのブランドへ投資し自社ブランドも展開している。彼らはR&Dに1000人のエンジニアを抱え、オートメーションシステム開発を行っている。
 
 
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次にB1にある彼らのオフィスを拝見すると、数々のコーヒーマシンと3Dプリンターがハッキングされてあらゆるところに広がっている。オフィスでは次世代のSmart Tapの開発についてミーティングがなされていた。現在dotcomとBUBBLE LABには40名程度が在籍しているが殆どが20代と、エネルギッシュなメンバーが楽しそうに開発に取り組んでいる。
B1のオフィスもカフェ同様のスペースがあるらしく、現在半分は使っていないそうだが、今後このスペースを一般の人に開放してモノづくりが出来るコワーキングにする計画もあるそう。
また、同ビル内に新たなカフェスペースとコワーキングスペースをオープンする予定も進めており、FabCafeやFabCafe MTRLのようなスペースにしていきたいと言ってくれていた。
 
 
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ちなみに同ビルの19Fにはマーケティングとデザイン部門のオフィスが。
 
 
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その後、dotcomの第一号店を見に行くことに。実は2年ほど前に北京航空航天大学のインキュベーションスペースにカフェを出して欲しいという相談を受けてdotcom coffeeを始めたのがTonyがカフェビジネスを始めたきっかけ。もともとはシリコンバレーでTea houseを開こうかと思っていたそう。
現在も一号店はインキュベーションスペース内にあり、学生たちは無料でコーヒーを楽しむことが出来る。航空大学ということもあり、ドローン技術を使ったスタートアップなどが多いそうで、この日も多くの学生たちがプロジェクトに取り組んでいた。
 
 
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夜にはdotcomやBUBBLE LABスタッフに僕と台湾のオーナーTimからFabCafe、Loftwork、そして今回同行してくれたカーデザイナーのSamによるプレゼンテーションを行い、パネルディスカッションを実施。
日本での僕らの活動にとても興味を持ってくれ、Exchange programなどを出来ないか、Fabミニ四駆カップを北京でどうすれば実施できるかなどなどとてもうれしい質問を沢山いただいた。
 
 
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dotcomは今後、カフェとしてはもちろん、北京の学生やエンジニア、クリエイターのコミュニティーを取り込みながら、ロボティクスなどのテクノロジーを人々の生活を豊かにし、彼らの掲げる「Healthy life」というスローガンを中国で実現するために活動していくそう。FabCafeはグローバルネットワークを活かし、彼らと様々なプロジェクトで連携していく予定で、近い将来FabCafe Beijingが立ち上がるなんてこともあるかもしれない。
 
 
川井 敏昌 川井 敏昌

外資系企業にてクリエイティブ分野の人材コンサルティングサービスを提供する一方、メーカーとのブランド開発、商品開発のコーディネーターとして経験を積む。2006年にロフトワークに参加し、クリエイティブdivのリーダーとして大規模サイトやコンテンツ開発プロジェクトを手がける。その後、2009年より3年間シンガポールの広告代理店でデジタルストラテジックプランナーとしてアジアパシフィックのプロモーション企画を担当。2012年3月FabCafe参加のため日本へ帰国。>>プロフィール詳細

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