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2016年に読んだ91冊の本の中から特に良かったオススメの本5冊

ディレクターの重松です。こんにちは。

すごく今更だけど2016年を振り返ると、入院していたりもしたのでずいぶん沢山の本を読みました。数えてみると91冊。内容は小説、エッセイ、写真集、漫画、ビジネス書…と色々だけど、その中からジャンルに関係なく、心に染みたり、グッときたり、未だに消化できない感情の塊のような何かを残していってくれた本を5冊紹介していきます。

 

Jurgen Lehl1. On the Beach / ヨーガンレール

ヨーガンレールが残してくれた美しい一冊。どこかのインタビューで「デザインの色や形や触感というのは副次的なもの。本当に考えなくてはいけないのは、それが大切か、大切じゃないかということです。」という主旨のことを言っていたことを思い出す。この本からは何かをつくる、生み出すということの功罪について原点に立ち返って考えさせられる。僕にとってはとても大切な本になりました。

nashiki kaho2. ぐるりのこと / 梨木香歩

「ぐるりのこと」の本が見当たらないので「春になったら苺を摘みに」の写真。書かれているのは身の回りのこと。天気、思い出、友達のこと、時事ネタ、飼っている犬のこと。休日に足を伸ばして訪れた風景や、昔のことだけど今でも在りありと覚えていることなど。その描写力もさることながら、断片のつなぎ合わせ方がとても美しい。まるで『三十六人集』の継紙のように大胆かつ繊細な美意識に触れることができました。

Bernard Rudofsky3. 建築家なしの建築 / B・ルドルフスキー

本書の内容とは直接関係無いけど読後に思い出したことがあります。以前アルゼンチンのイスキグアラスト自然公園(恐竜の化石で有名なところ)に行ったときのこと。ガイドがマテ茶を飲みながら言う「恐竜は1億8000年間も地球上に栄えていたんだ。人類はまだ10万年くらいだろう。地球上で最も長生きした種から僕たちが学べることはまだまだあると思わないか」と。この本に集められたヴァナキュラーでアノニマスな建築群からも僕たちが学べることは沢山あると思いました。

yanagi muneyoshi4.茶と美 / 柳宗悦

「健康な美」「無事の美」「親しさの美」「意識の毒」「作為よりも自然」「人智よりも叡智」美とは作り出せるものではなく自然から生まれ出づるものである、という柳宗悦の骨太な思想から発せられる力強い言葉の数々に惚れ惚れする。僕が特に好きなのは次の一文。「私が特に注意を促したいのは、美を対象とする限りは「こと」の側から論じるよりも、「もの」にじかに触れることがいかに緊要であるかということ、次には「知る力」よりも「観る力」がいかに一層重要な決定力を有つかということである。」

feodor dostoyevsky5.カラマーゾフの兄弟 / ドストエフスキー

村上春樹が人生で巡り合った最も重要な本の1冊に挙げているとか、東大の先生が全ての分野の中で新入生に読ませたい本の1位とか、これまで書かれてきた全ての小説で1番面白いとか。そういった紹介のされ方だけでお腹いっぱいになってしまい、それに加えて長いし、文体も馴染めないしと思い、手に取らないようにしていたのですが読んでみたらすごかった。本当にすごかった。僕はアリーシャが教会から出たところで転び、そして立ち上がるシーンが好きです。

 
 
2016年に読んだ本の全リストはこちら。特に面白かったものに◯をしています。 
1 藤原成一「仏教ごっこ日本 もうひとつの精神誌」
2 伊藤正一「黒部の山賊 アルプスの怪」
3 白洲正子「西行」
4 伴蒿蹊「近世畸人伝」
5 伊坂幸太郎「ジャイロスコープ」
6 伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」
7 岩谷美苗「街の木ウォッチング オモシロ樹木に会いにゆこう」
8 ヨーガンレール「On the Beach 1」◎
9 ヨーガンレール「On the Beach 2」◯
10 鈴木康広「NEIGHBORHOOD GLOBE 近所の地球」
11 MICHAEL WOLF「SOME MORE HONG KONG SEATING ARRANGEMENTS」
12 ANDY GOLDSWORTHY「EPHEMERAL WORKS」◯
13 羽兼直行「多肉植物ハンディ図鑑」
14 庄野潤三、岡崎武志「親子の時間」
15 谷川俊太郎、山田馨「ぼくはこうやって詩を書いてきた」
16 松家仁之「火山のふもとで」◯
17 辨野義己「腸内細菌革命」
18 福田里香「ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50」
19 三谷一馬「江戸商売図絵」
20 東野圭吾「私が彼を殺した」
21 石川善樹「疲れない脳をつくる生活習慣」
22 重延浩「三宅一生 未来のデザインを語る」
23 G・ガルシア=マルケス「百年の孤独」
24 G・ガルシア=マルケス「エレンディラ」
25 ウィリアム・マイヤーズ「バイオアート」
26 川口慧海「チベット旅行記(上)」◯
27 岸見一郎「アドラー心理学入門」
28 想田和弘「観察する男」
29 ミシェル・ウェルベック「服従」
30 ミシェル・ウェルベック「素粒子」
31 赤塚不二夫「赤塚不二夫120%」
32 手塚治虫「火の鳥」◯
33 手塚治虫「アドルフに告ぐ」
34 ジョーゼフ・キャンベル&ビルモイヤーズ「神話の力」◯
35 レイモンド・チャンドラー「さよなら、愛しい人」
36 レイモンド・チャンドラー「リトル・シスター」
37 レイモンド・チャンドラー「大いなる眠り」
38 レイモンド・チャンドラー「高い窓」
39 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」◎
40 ドストエフスキー「罪と罰」
41 西岡常一、小川三夫、塩野米松「木のいのち木のこころ」◯
42 駒沢俊樹「語るに足る、ささやかな人生」◯
43 星野道夫「長い旅の途上」◯
44 梨木香歩「ぐるりのこと」◎
45 梨木香歩「春になったら苺を摘みに」◯
46 梨木香歩「家守綺譚」
47 梨木香歩「沼地のある森を抜けて」
48 梨木香歩「不思議な羅針盤」
49 梨木香歩「海うそ」
50 永井均、内田かずひろ「子どものための哲学対話」
51 村上春樹「村上さんのところ」
52 村上春樹「辺境・近境」
53 村上春樹「アンダーグラウンド」
54 村上春樹「約束された場所で」
55 ポール・ド・クライフ「微生物の狩人(上)」
56 川上弘美「蛇を踏む」
57 池波正太郎「酒肴日記」
58 田口ランディ「コンセント」
59 山田風太郎「人間臨終図鑑Ⅰ」
60 山田風太郎「人間臨終図鑑Ⅱ」
61 イヴァン・イリイチ「シャドウワーク」
62 遠藤周作「沈黙」◯
63 小沼純一「高橋悠治対談集」
64 チャールズ・ブコウスキー「町で一番の美女」
65 高山宏「近代文化史入門」
66 ダニエル・デフォー「ロビンソン・クルーソー」
67 谷崎潤一郎「文章読本」
68 藤原和博「坂の上の坂」
69 川喜田二郎「続・発想法」
70 日経デザイン「無印良品のデザイン」
71 クリス・クラッチャー「ホエール・トーク」
72 ジョンJ・レイティ「GO WILD」
73 隈研吾「小さな建築」
74 宮本常一「忘れられた日本人」◯
75 J.L.ボルヘス「伝奇集」
76 シェーン・フルトン・スーリ+IDEO「考えなしの行動?」
77 茨木のり子「倚りかからず」
78 J・B・テイラー「奇跡の脳」
79 柳宗悦「手仕事の日本」
80 柳宗悦「茶と美」◎
81 ゴフスタイン「私の船長さん」
82 グレン・グールド、ジョナサン・コット「グレン・グールドは語る」
83 猪熊弦一郎「いのくまさん」
84 松井啓子「くだもののにおいのする日」
85 ジョン・ケージ「小鳥たちのために」
86 ウォーレン・バーガー「Q思考」
87 カズオ・イシグロ「わたしたちが孤児だったころ」
88 B・ルドルフスキー「建築家なしの建築」◎
89 松井孝典「我関わる、ゆえに我あり」
90 小泉武夫「発酵」
91 坂口謹一郎「日本の酒」
 
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重松 佑 重松 佑

シニアクリエイティブディレクターとしてブランディングを中心としたプロジェクトをリードする。クリエイティブの仕事において最も大切なことは「良いチームを作ること」を信条に型に囚われないプロジェクトのデザインを行う。プロジェクトマネジメントにおいては宣伝会議の講師も務めています。>>プロフィール詳細

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